顎関節症の原因

横浜市鶴見区の顎関節専門整体 てらお整体院 いしいです。

 

今回は、「顎関節症の原因」について述べていきます。

直接の原因はストレス

私は、顎関節症・顎の痛みの直接の原因はストレスと考えています。

ストレスがあると睡眠中の歯ぎしりをしたり、喰いしばったりするようになります。

歯ぎしり・喰いしばりをしている時は筋肉をものすごく緊張させてますので、長い期間やっていると咀嚼筋群の中にトリガーポイントができてしまいます。

トリガーポイントによる直接的な痛みと関連痛によって顎周辺に痛みが出るようになります。

咀嚼筋の過度の収縮により、関節円板の内障(身体内部の力による組織の損傷)が起き、顎関節周辺に痛みが出るようになります。

顎の周辺の筋肉のひとつに外側翼突筋という筋肉があります。この外側翼突筋が過度に収縮すると、関節円板が引っ張られて前の方に移動してきてしまいます。

関節円板が前に移動してしまうと、下顎の回転運動ができなくなってしまうので、口を開けられなくなってしまいます。無理に開けようとして力をいれることで顎の痛みが増してしまう、という悪循環に陥ってしまいます。

 

その他の説

かつて信じられていたこと

かつては「噛み合わせが悪いと顎関節症になる」と信じられていました。この考えは、1930年代のアメリカの耳鼻科医だったコステン氏の論文に遡るそうです。コステン氏は

「不良な噛み合わせを調整したら、症状が改善した人がいた、であるならその”不良な噛み合わせ”が身体の不調の原因だ。なぜ身体に不調が出たかというと、噛み合わせが悪いと、悪い噛み合わせで何とか適応しようとするので、筋肉や関節に負担が増えてしまう。その結果、筋肉の障害や顎関節に障害が出るのだ」

と考えたようです。

この学説が影響して「噛み合わせの悪さが顎関節症の原因」という説が広まったそうです

(参考文献:顎関節症とかみ合わせの悩みが解決する本 東京医科歯科大学 木野孔司先生)。

 

このような考えに基づいて、かつては病院や歯科では顎関節症の方に対して

  • 薬物療法(鎮痛剤によってつらい時期を乗り切る)
  •  歯を削って噛み合せを調整する
  •  マウスピースを用いたスプリント療法

などが行われてきたようです。

 

最近の仮説のひとつ TCH(Tooth Contacting Habit)

一部の歯医者さんの間で最近では

  • 噛み合せを調整しても顎関節症は良くならない
  • マウスピースを用いた対処法は保険適用も認められている方法だが、この方法で顎関節症が良くなるわけではない

という考えも出てきています。

噛み合わせが悪くても顎関節症になっていない人も多数いることもあり、「噛み合せの悪さは顎の関節や筋肉に負担をかけ、顎関節症を招く」という考えは適切ではない、と考えるグループも出てきています。

そのグループでは最近では、上の歯と下の歯を接触させる習慣(Tooth Contacting Habit。略してTCH)が顎関節症を招く大きな要因と考えているようです。

 

「TCH」によって顎関節症の痛みが出る過程は以下のようになります。

「 TCHが長時間化すると咀嚼筋群の活動が持続することになります(重力に逆らって下顎を上に持ち上げなければならないので)。
そうすると当然、咀嚼筋群や周辺の筋肉が疲労しますし、顎関節にも負担が増えます。それが続くと顎関節周辺の筋肉に痛みが出たり、顎関節の組織(関節包、靭帯など)に痛みが出たりします。」

 

良くなるための考え方は・・・

立場によって、考え方がいろいろです。

「思考は現実化する」という言葉があります。

良くなりたいのであれば、「顎の痛みが良くなりそう」と自分が思える考え方をしているところに行くのがよいでしょう (^_^)