頸椎ヘルニアが腕のしびれ・脱力感の原因だったのか?
腰痛に関しては、腰が丸まらないよう気をつけたり、朝、ネコ体操(背中腰を丸めたり、そらしたりする体操)をやったりして気をつけているおかげで、特にひどく痛くなるということはなく過ごしていましたが・・・
新たな不調が訪れたのは2011年4月のこと(この頃は大川カイロの直営の整体院でスタッフとして整体の仕事をしていました)。
何が起きたかというと・・・
2011年4月 今度は左腕にしびれが・・・。
腕を上に上げると左腕に力が入らなくなりました(T_T)
頸椎ヘルニアと言われました
で、5月 鶴見のS病院で頸椎のX線、MRIを撮ってもらいました。
きれいな女医さんでしたが、画像を見ながら
「首の骨に骨棘(※)ができてますね。 頸椎にヘルニアがありますね、それと後縦靭帯が骨化してますね」と、情け容赦ないお言葉の連続・・・ (T_T)
「頸椎の疾患」については大川カイロプラクティック専門学院の授業ので習ったことはあります。
整形外科に行く直前に、三井弘先生の「体の痛みの9割は首で治せる!」を読んで、どんな宣告をされそうか”予習”もしてきました。心の準備はしてきたつもりです。
が、いざ、お医者さんから「あなたは頸椎ヘルニアです」と言われると、けっこう動揺しますね w(@_@)w
頭の中に「オレは頸椎ヘルニア、ヘルニア、ヘルニア・・・・。オレは頸椎ヘルニア、ヘルニア、ヘルニア・・・・」
という言葉が反響していました。
「ああ、大変なことになっちゃったかな」と、ちょっと凹みました (T_T)
そもそも頸椎椎間板ヘルニアって?
そもそも頸椎椎間板ヘルニアって、何なのか。大川カイロの授業で使った標準整形外科学 第10版 で調べてみました。
440ページを基に解説を試みますと・・・
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頸椎椎間板ヘルニア(cervical disc herniation)背骨の骨と骨の間にある椎間板という組織が、加齢とともに”水気”を失い、へたってきて、切れやすくなってきてしまう。
で、切れたところから椎間板の中の組織が出てきてしまう。
飛び出す方向は、ま後ろ方向や後ろ側法(右あるいは左)。
飛び出した椎間板の組織は、背骨の中を通っている脊髄やら、脊髄から枝分かれした神経根やらを圧迫してしまう。
脊髄やら神経根やらが圧迫された際の自覚症状としては、頭・首の後ろから肩甲骨~背中あたりに痛みとしびれが出たり、首の動きに制限が出てくる。
通常は首の運動時に症状が悪化し、安静にしてると症状が軽くなる。
場合によっては腕に痛みが広がったり、しびれ、感覚障害、脱力、筋委縮がみられる。
また、場合によっては感覚障害が手指、手掌全体、体幹、下肢に広がる。
手の指が器用に動かなくなったり、歩行がぎこちなくなったり、階段を下りるときに手すりが必要になったり、走れなくなったりする。
障害が進行すると膀胱直腸障害が起きてしまう。
私の場合は、頭・首の後ろから肩甲骨~背中あたりにしびれが出たり、腕にしびれ、脱力感がありました。
この先、指がちゃんと動かなくなっちゃうのか?
膀胱直腸障害まで進んじゃうのか?
と、なまじ知識があるだけに不安になりました (T_T)
用語解説
※骨棘
”骨が変形してできたトゲのようなでっぱり。”
っとサラッと書いてしまいましたが、どんな時に骨棘ができてしまうかというと・・・
椎骨の間の椎間板が加齢とともにへたってきてしまう。
で、首の骨がグラグラするようになる。
このぐらつきを止めようとして、椎骨にでっぱり=骨棘 ができてしまう。
で、骨棘が大きくなり過ぎると脊髄や神経根の通り道を狭めて、痛みやしびれが出てしまう。
これは変形性頸椎症と呼ばれる。
※後縦靭帯の骨化
首の後ろを縦に走る後縦靭帯が老化し、骨のように硬くなる現象。
骨化がひどくなると脊柱管が狭くなり、脊髄が圧迫されて首や肩が痛くなるほか、手足がしびれたり、歩行ができなくなることもある。
これは後縦靭帯骨化症と呼ばれる。
参考文献: よくわかる最新医学 新版ひざ・肩・腰の痛み 三井弘 主婦の友社
ざっくりこんな感じです。
頸椎ヘルニア、骨棘形成、後縦靭帯の骨化 と四十過ぎると体にいろいろ変化が起きるものですね (・_・)
上の写真は、2011年5月に整形外科で撮ってもらったX線写真です ^^;
X線写真やMRIの画像データはお願いするとCDにコピーしてもらえます(自費になりますが)。
後日、別のお医者さんの意見を聞いたりするときに便利ですので、もらっておくことをお勧めします。
当時の状況
私の頸椎椎間板ヘルニアの状況について”きれいな女医さん”の診断結果をメモ書きしたものを読み返すと・・・
私の頸椎椎間板ヘルニアは
第5頸椎と第6頸椎の間の椎間板と
第6頸椎と第7頸椎の間の椎間板とに見られる、
右側、左側の両方に出ていて(場所の詳細はメモしていませんでした)、
大きさは、右側ヘルニアの方が大きい。
という説明でした w(@_@)w
上の写真はCDにコピーしてもらった私の頸椎のMRI画像の中から”ヘルニアっぽいところ”を素人判断でピックアップしたものです・・・
「右側は何ともなくて、左側がしびれるんですけど・・・」
という私の疑問に対してはあまり納得のいく回答はいただけませんでした (>_<)
・症状が出る側とヘルニアの大きさは関係ないのか?
・左側はヘルニアの当たりどころ(神経根に対する)が良くないのか?
・右側はヘルニアが在っても何ともないことからすると、この症状とヘルニアとは関係ないのか?
などなど、疑問やら、ひとすじの希望(ヘルニアと関係ないなら良くなるかもしれないという・・・)やらが頭の中に渦巻いてました。
メチクールを処方してもらいました
「では、どうすればいいんですか?」という質問に対して
「気を付けて過ごして下さい。悪くなることもあるので。ここではできないけど、手術が必要であれば病院を紹介します」
というご回答・・・。
”手術が必要になるような事態になっちゃうの・・・? (T_T)”
不安あおられ絶句・・・
「ためしに神経の流れをよくする薬を出しておきましょう」
ということで、メチクール(ビタミンB12の系統の薬。
手足のしびれや神経痛に用いるそうです)を1か月分処方していただきました。
「神経の流れをよくする薬、それだけですか!?
ヘルニアなり、骨棘なり、硬くなった靭帯なりが神経を圧迫して症状が出てるなら物理的な方法で、対処すべきでしょう。
それを薬という化け学的な方法で対処するとはどういうことですか?」
などと質問する気力も冷静さも無く、おとなしくというより、凹んで帰りました (T_T)
腕のしびれ・脱力感が続いて先行き不安な日々を過ごしました
病院からの帰り道、
- 1月から忙しくなって、仕事中の姿勢が悪かったから?
- 顔を下に向けている姿勢が多かったから?
- 左腕に必要以上に力が入っていたからかもしれない・・・
- 前職のデスクワークの頃の影響もあるのかな?
- 仕事続けられるかな?
・・・等々、後悔やら不安やら複雑な心境になりました w(@_@)w
薬を飲んだ日はシビレ感が弱くなった気がしました。
「このまま薬を飲み続けるのか?」
そんな生活もいやだなと思い、薬を飲まなかったりするとまたしびれてきたり・・・
「おぉ、この先どうなるんだろ~」と不安な日々を過ごしました (T_T)
姿勢を正し筋肉をほぐすと腕が楽になってきました
当時勤めていた、もとまち整体院で「以前、頸椎ヘルニアをやったことがある」という方を担当させていただいたことがあります。
その方は
「疲れがたまると、しびれたりするけど普段は何ともない。」
とおっしゃってました。
「本当にそうなのかな?」
「自分の場合はどんなふうになるのかな?」
と筋肉のケアを専門とする施術者としては”よわよわ(弱弱)”な心境でした (恥)
そんな状態でしたが、
- 同僚との手技の練習で首、肩、腕、背中をほぐしてもらったり、
- セルフケア(下を向き過ぎない、姿勢をよくする、首肩周りの筋肉をほぐす・・・)
の効果で、首・肩・腕の疲れが引いてきた頃(7月頃)には、しびれはほぼおさまりました(しびれを感じ始めて約3ヶ月後) (^o^)
左手に若干力が入りにくい状態は、その後も残りましたが ^^;
腕のしびれが出たり、力が入りにくくなった原因についての考察
結局、左手に若干力が入りにくい状態は2012年6月末まで残りました。
2012年4月末にもとまち整体院を退職し、てらお整体院の開業準備に入りました。
てらお整体院開院直前の6月の末頃には、左手に力が戻ってきました ヽ(^◇^*)/
腕のしびれが出たり、力が入りにくくなった原因や、それらが無くなった理由について、これまでの体験から考察してみますと・・・
(1)骨や靭帯の変形 が原因?
骨の棘や、靭帯の骨化が、数か月で改善するとは思えないので、骨や靭帯の変形は、今回の腕のしびれとは関係なさそう。
(2)頸椎椎間板ヘルニア が原因?
左側にヘルニアがあり、左腕に症状が出たので、ヘルニアが原因とも考えられます。
しかしながら右側にもヘルニアはありましたが、右腕は何ともありませんでした。
ヘルニアが神経根なり、脊髄を圧迫して症状が出るというのであれば
右腕にも何らかの症状が出てもよいのですが・・・
左側は当たりどころが悪かったから?
右腕もいろいろ動かしているので、当たりどころが悪い時もあったと思われますが、何にも症状がありませんでした。
ヘルニア説もあやしく思えます (・_・)
(3)その他のことが原因?
左腕に症状が出たことと、
私が「左利き」ということが深く関係しているのでしょうか?
左腕を使い過ぎたことが原因なのでしょうか?
頸椎ヘルニアになったのは、左腕の使い過ぎが原因?
左腕の「何を」使い過ぎたか?
私は「筋肉を」使い過ぎた、と考えています。
利き腕の左腕を使い過ぎてしまい、 筋肉が硬くなってしまった (トリガーポイントもできていたかもしれません)
筋肉が縮みっぱなしになって、
伸ばしにくくなったり、
硬くなった筋肉が血管を圧迫して、
酸素・栄養運ばれにくくなったり、
老廃物が取り除かれにくくなったりで、しびれた感じが出たり、力が入りにくなってしまった (>_<)
酸素・栄養運ばれにくくなったり、老廃物が取り除かれにくくなったりすると、神経の細胞が誤作動してしまいますからね (>_<)
その後、 開業する準備に入るため、整体院のスタッフを辞めました。
長期の休養が取れたので、腕の負担が減りました。
左腕に対するセルフケアの効果もあって、筋肉の硬さが幾分和らぎ、力が入れやすくなったのでは、と考えています。
行き詰ったら常識を疑ってみる
頸椎ヘルニア体験を綴ってまいりましたが、ここいらでまとめます。
- 骨棘、靭帯の骨化、ヘルニアがあったが、それらが症状(しびれ、力の入り難さ等)の原因とは考えにくい。
- 症状が治まったのは、筋肉の疲労が取れたから(と考えている)。
- 筋肉の疲労を取るにはトリガーポイントセラピー(虚血圧迫法)が非常に有効であると再確認した。
以上は、個人的な体験に基づく仮説です。誰にでも当てはまるものではないと思います。
が、「骨が変形してるからねぇ」「靭帯が変形してるからねぇ」「ヘルニアだからねぇ」「年だからねぇ」、「様子を見ましょう」・・・と言われ放っておかれている、
でも
『何とかしたい・・・』というのであれば、「筋肉に対するケア」というのを一度、試してみるのをお勧めします (・_・)
「腕のしびれ」に限らず、
「骨が変形してるからねぇ」
「靭帯が変形してるからねぇ」
「ヘルニアだからねぇ」
「年だからねぇ」、
「様子を見ましょう」
と言われ、放っておかれている多くの症状(首のこり、肩こり、腰痛、股関節の痛み、膝の痛み、ふくらはぎの痛み等)についても、一度「筋肉」という視点から考えてみると違った展開になるかもしれませんよ。
世間一般に言われている方法で、痛みやしびれが改善しなかったら、どうしてよいかわからず行き詰ったら、常識を疑ってみるのもひとつの方法です。
(頸椎ヘルニア体験記 おわり)