レプリコンワクチン、2024年秋から接種が始まるの?
日頃私が情報収集している範囲内では、レプリコンワクチンに関して、いろいろうわさが飛び交っている。
ほんとうに2024年秋から接種が始まるのか、調べてみた。
秋からの接種に使用するコロナワクチンの要件
厚生労働省の資料「新型コロナワクチンの定期接種等について 令和6年度第1回予防接種に関する⾃治体説明会」https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001266569.pdf を見ると、秋からの接種に使用するワクチンの要件は
【決定事項】
• 2024/25シーズンの定期接種において使用するワクチンの抗原構成について、WHOの推奨と同様に「JN.1系統及びその下位系統へ
のより⾼い中和抗体を誘導する抗原を含むこととし、その⼀例としては1価のJN.1系統が考えられる。」と決定した。
とある。
では、レプリコンワクチンは「JN.1系統及びその下位系統へのより高い・・・」を満たしているのか?
を調べてみた。
国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子医薬部 https://www.nihs.go.jp/mtgt/index.html のページに「mRNA医薬の臨床開発状況」なる資料へのリンク https://www.nihs.go.jp/mtgt/pdf/section3-2.pdf が張ってあった。下の図はその1ページ目をスクショさせてもらった。
レプリコンワクチンっていっているのは、この表の中のARCT-154/ ザポメラン、ARCT-2301と思われる。
その行をようく観ると
ARCT-154/ ザポメラン SARS-CoV-2 スパイクタンパク質(D614G変異を有するB.1株) 開発段階:承認
ARCT-2301 SARS-CoV-2 スパイクタンパク質(従来株 + Omicron BA.4/5 株) 開発段階:P3
となっている。(そもそも”P3”って何?)
明治製菓のホームページを見てみることに
よくわからないので、明治製菓のホームページを見てみることにした。
すると、下記のようなページ 開発パイプライン https://www.meiji.com/innovation/pipeline/ に辿り着いた。
それによると承認が下りているARCT-154は、起源株用らしい。
JN.1用のは、”一部変更承認申請”中のようだ。
まとめ
ということで、調査をした2024年8月21日の段階では、審議会の決定事項「JN.1系統及びその下位系統へのより⾼い中和抗体を誘導する抗原を含むこととし、その⼀例としては1価のJN.1系統が考えられる。」という条件を満たすレプリコンワクチンはまだ存在してない(とは言え、承認が下りるのは時間の問題なんだろうけど)。
2024年9月4日 追記
2024(令和6)年9月2日に行われた「 第35回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 研究開発及び生産・流通部会 」の資料1(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/001298086.pdf )によると
「2024/25シーズンの季節性インフルエンザワクチン及び新型コロナワクチンの供給等について」の6ページ目によると、コスタイベ®は「薬事申請中」だけど、約427万回分、供給される見込みとのこと。
2024年9月15日追記 2024年9月13日 レプリコン、一部変更承認取得
2024年9月13日にMeiji Seikaファルマ株式会社から以下のプレスリリースがあり。
新型コロナ感染症に対するオミクロン株JN.1系統対応次世代mRNAワクチン(レプリコン)「コスタイベ筋注用」の日本における一部変更承認取得に関するお知らせ
pdf資料をスクショ↓
おまけ。
「そもそも薬ってどのような流れで認可されるの?」ということも知らなかったので、調べてみた。
図は 「1つのくすりを開発するのに、どれくらいの年月がかかりますか。 | くすりの情報Q&A | 日本製薬工業協会」https://www.jpma.or.jp/about_medicine/guide/med_qa/q33.html より。
P3の”P”は”Phase”の”P”と知る(恥)
上の図は、エーザイ株式会社のホームページの 「研究開発(創薬研究)の流れ」
https://www.eisai.co.jp/innovation/research/research/index.html
より借用。
ちゃんとやると時間がすっごくかかるんだろうな・・・(そしておそらくお金もすんごくかかっているんだろうな)