腰痛がありますがウォーキングしてもいいですか?

以前、腰痛で来院された方からLINEで「ウォーキングしてもいいですか?」

という問い合わせがありました。

 

腰痛の人に対しては、”歩く”ことをおすすめしてますが、”ウォーキング”となると微妙です。

 

そもそもウォーキングって

「ウォーキング」って一言で言いますが、人によって捉え方がまちまちだと思います。

言葉の定義がお互い違うと、伝えたいことが伝わらず、とんでもない結果を招きかねないので定義しておきましょう。

 

ぼくが想定している”歩き”は

  • ゆらゆら力を抜いて歩く。
  • 景色を見ながら街の様子を眺めながら、道端のタンポポでも愛でながらのんびり歩く。

そんなのを想定してます。まぁ、お散歩ですな。

これをお散歩ウォーキングと呼ぶことにしましょう。

 

一方、一般に言われるウォーキングはというと

  • ダイエットを目的としてガンバって歩く、
  • 筋トレを兼ねて力を入れて歩く、
  • 肘を曲げ、腕を振って速足で歩く

なんてのを思い起こしてしまいます。これをガンバリウォーキングと呼ぶことにしましょう。

 

ガンバリウォーキングは腰痛の時にしてよいか?

お散歩ウォーキングの話を進める前にガンバリウォーキングの話をしますと、

「ガンバって歩く」のは中長期的には身体に疲労が溜まりますので、腰痛予防の観点からはおすすめしません。

 

 

腰痛があるけどお散歩ウォーキングしてもいいのか?

お身体の状態が今どうなっているのか分からないので何とも言えないのですが・・・

  • 普通に立っていて痛くない
  • 歩いていて痛くない

というのであれば、お散歩ウォーキングは問題ないと思います。

 

立っていて痛い、歩いても痛い、という場合はまずは痛みを軽減するのが先決です。

 

痛いのに我慢して歩くと、なるべく痛みが出ないような身体の使い方をしてしまいます。

これを代償行為といいますけど、それをしていると身体の他の部位に負担がかかって、新たな痛みが発生してしまうんです。

なので、「立っていて痛い、歩いても痛い」という状態であればお散歩ウォーキングもやらないほうがいいです。

 

そもそも歩くのがなぜ腰に良いのか?

人体模型を使って説明しますね。

骨盤付近を拡大してみるとこんな感じ。
骨盤締め具合 立っている時 拡大

骨盤は、腸骨(骨盤を構成する3つの骨のうちの左右にある骨)」という骨は

大腿骨(太腿の骨)で黄色い矢印の向きの力で挟まれている時に安定します。

歩くと・・・

歩く→大腿骨が動く→腸骨に大腿骨経由で脚の動きに伴って力が加わる

→腸骨と仙骨の間の関節(仙腸関節)が整う。

同時に恥骨結合(左右の腸骨がつながっているところ)が整う

→結果として骨盤が整い、腰の痛みが和らぐ

こんな良いことがあるのです (^_^)

 

ただ、足首捻挫してたり、膝の状態が悪かったり、歩き方にクセがあったりすると、

大腿骨から腸骨に加わる力が変な方向からになってしまうので、骨盤もずれやすくなってしまうんです。

で、結果として腰痛になったり、腰痛が悪化したりする (>_<)

 

なのでぼくとしては、腰痛で来た方には骨盤を整えるのはもちろんのこと、足関節、膝、股関節の調整は必ず行います。

骨盤は上半身の土台だけど、骨盤を支える本当の土台は「足」ですからね。

 

ついでに言うと、履物も大切。

履物によって「足」が傾いちゃったりしますからね。

足が傾けばそっから上が傾く、そうならないように代償行為を行ってなんとかまっすぐ立つようにする、代償行為を行っているところがやがて痛くなる・・・ こんなことが起きないとも限りませんから ^^;

 

歩いているけど腰痛がよくならない

歩いているけど腰痛がよくならないのは、もしかしたら

  • ガンバリウォーキングして身体に余計な力が入っていたり、
  • 足、膝、股関節に実は問題があるけど、「そんなものよね」と放置して歩いている(けど代償行為をしているので実は負担になっている)

そんな状況かも知れませんね ^^;

 

結論

長くなりましたが、「腰痛がありますがウォーキングしてもいいですか?」という質問に対して

  • 普通に立っていて痛くない
  • 歩いていて痛くない

という状態で、お散歩ウォーキングであればやっても問題ないと思います。

歩いていて違和感、痛みがあるならそれを軽減してから歩いたほうがいいと思います (^_^)

ガンバリウォーキングは筋肉を緊張させ、腰痛を悪化させる恐れがあるので、腰痛予防の観点からはおすすめしません。

 

椅子に座っているとよくない理由は、次回にでも記事を書きます ^^;